作品ページ④・1/35 ミリタリー 2014~2018年

「BT-42」  縮尺1/35・縦19㎝・横26㎝・高さ20㎝  2018.06.18

作品ページ②に掲載している「CHURCHILL Mk.Ⅶ」をご覧になったお客様から、こんな感じの橋が落ちているジオラマが欲しい、との依頼があり制作しました。

また、今作はとても沢山のご要望を頂戴した作品でもあります。車両はBT42を使用、落下する橋梁、車両からの脱出、地面には薄っすらと積雪、透明感のある水面、立て看板等々、他にも要素が盛りだくさんです。

作品としてはそれほど大きくないので、その中に全ての希望要素をバランスよく入れ込むことに苦心しましたが、何とか綺麗にまとめあげることができたと思っています。

最終的に「CHURCHILL Mk.Ⅶ」とは「橋が落ちる」という部分以外全く異なる作品となってしまいましたが、お客様と相談を繰り返しながら、ご希望内容の作品を目指して作っていくという過程も楽しめました。

「German Neubaufahrzeug」  縮尺1/35・縦19㎝・横26㎝・高さ16㎝

サイバーホビーのノイバウファールツォイクを使用し、泥濘と化した雪中を進む様を表現しました。立体好きの私からすると多砲塔戦車というのは最高の造形物なのですが、好みを別にしたとしても、作品映えすジャンルであることも事実です。

特に、ジャーマングレーで塗装した立体物を泥だらけにすると、様々な要素で形が引き立って、とても魅力的だと感じます。私にしては珍しく、平坦なベースを採用しているのも、本体が多段構成で、作品を大いに補完してくれているからです。

情景作品は、上に乗せる構成物によって大きく見た目が左右されるので、キットの選択は重要です。故に、作品映えしない形の車両は大嫌いです。

「Sd.kfz.234/2 PUMA」2作目  縮尺1/35・縦19㎝・横28㎝・高さ22㎝

イタレリのプーマを使用した2作目です。こうして振り返ってみると、私の作る作品は、装輪装甲車の割合が多いですね。装軌式より好きなのかもしれません。今気が付きました。

車両の塗装とベースの配色は前作と同じですが、今回はフィギュアを設置したのと、水面を加えてあります。水辺にある用水階段がすごく好きで、思わず降りてみたくなるような階段が作りたくて製作しました。

水と道路の二段高低差だけでは立体感が物足りないので、その奥に崩れかけた堤防のようなものを追加。石畳や水だけでなく、ブロック積みや土や草、枯れ木等、複数の要素を加えることにも気を付けました。この作品は、正面からだけでなく、斜めに飾っても見栄えが良いと思います。

「Sd.kfz.234/1」  縮尺1/35・縦19㎝・横27㎝・高さ18㎝

イタレリのsdkfz234/1、8輪装甲車偵察型を使用した作品です。昔何かの写真で見た、道と川が一体化しているような欧州の田舎の道路を思い出し、作りたくなって製作しました。明らかに村の生活道路に見えるのに、橋が架かっていない様子。とてもワクワクした記憶があります。

奥に建物、手前に石垣を自作し、そんな記憶の中のイメージを具現化しました。建物が少々淡泊なのと、詰め込みすぎてせっかくの道路が見えずらくなってしまい反省しています。しかし、構図的には良好なので、出来には満足しています。

このテーマは楽しかったので、近いうちに同じ内容で再度製作するつもりです。ところでこの車両は、前から見るより後ろから見る方が、格好いいと思うのは私だけでしょうか。

「習作⑤~⑩(sdkfz222・sdkfz223)」  縮尺1/35・縦11㎝・横15㎝・高さ12~13㎝

今作は「情景別の水表現」を考察するための習作で、6連作のうちの1作です。タミヤのsdkfz222を3両、sdkfz223を3両使用。湿地・泥濘・砂漠という3種類のシチュエーションを設定し、それに合わせた塗装と表現を試みています。

以前にも全く同じ車両とテーマ(習作①~④)で制作していますが、なぜかと言いますと、せっかく練習して色々試したのに、時間がたって技法を忘れてしまったからなんですね。

同じことをしているのに毎回思い出すのに時間をかけた挙句、出来栄えにバラツキがあるのはいけません。今回はしっかりメモをとって残しました。それと、同じものを大量に並べて喜ぶ癖がありまして、楽しいので連作は今後も続くことでしょう。

「PANZERWERFER42 Sd.kfz.4/1」  縮尺1/35・縦19㎝・横26㎝・高さ18㎝

イタレリのマウルティア、パンツァーベルファー42。旧い街道沿いに展開するロケット砲兵の図です。過去にSWSのパンツァーベルファーを使用した全く同じ構図の作品を製作したことがあり、その時の反省点を生かした2作目となります。

いかにもありそうな石畳の道、石垣、明るい目の草木のグリーン。何とも牧歌的な風景を心がけました。王道的なパターンながら、適度な高低差と密度感があるので、非常に綺麗な仕上がりとなりました。

以前にも思ったのですが、やはりSWSよりマウルティアの方が、大きさ形にメリハリがあって利用しやすいと感じました。

「3.7㎝ FLAK37 Sd.kfz.7/2」  縮尺1/35・縦22㎝・横30㎝・高さ22㎝

タミヤの3.7㎝FLAK37 sdkfz7/2 を使用した作品です。このHP上頻繁に述べていますが、私は用水階段が好きです。故にテーマは「水辺の立体」です。

自作の建造物には十分立体感を持たせたつもりだったのですが、使用した車両に思いのほか高さがあり、バランスの調整に苦労しました。ベースは、設置物との相性を考えて濃茶で塗装。ネームはブラックとしています。

ベースに対して全体が斜めに設置されている街並みが、今作の頑張りどころです。要素は色々入っていますが、スッキリした印象で、かなり渋めの出来栄えです。当初のイメージは達成できたと考えていますが、いかがでしょうか?

ちなみに、凄く軽いです。

「Pz.SpWg Panhard 178(F)」  縮尺1/35・縦14㎝・横18㎝・高さ14㎝

アルビーのパナール178を使用した作品です。フランス軍仕様もいいですが、いつものごとくジャーマングレーの車両を泥だらけにしたかったので、ドイツ軍仕様としました。

小さな作品ですが、少しでも立体感を出すためベースは奥に向かって少し上り坂となっています。傾斜に沿って車両が斜めになっているため、立体的な車両のデザインを一層際立たせることが出来ました。地面の凹凸や泥水の表現等、構造物の無いベースに変化を持たせることにも注力しています。

この車両は、完成してみると思ったよりも大きくてびっくりしました。1号戦車の隣に並べたら、スケール感がおかしくて笑ってしまいました。

「object 279」  縮尺1/35・縦27㎝・横31㎝・高さ29㎝

オブイェークトですので、テーマは「放射線下戦闘」「汚染区域」「汚染水」「防護服」です。NBC戦をテーマにした作品は以前から構想しており、チェルノブイリの写真集を買ったのを切っ掛けに制作しました。

自作の建造物を配置して高さを演出。地面とのバランス調整が大変でしたが、水面の配置や、車両手前に折れたコンクリ柱を設置する等、全体の一体感を醸成することに努めました。

これ見よがしに設置されている、危険区域の看板と、汚染物を封入してあるドラム缶が何ともいえません。この車両は、車体がデカイくせにやたら平たく砲身が長いので、すごく情景に使いにくい形をしていました。

とはいえ出来栄えとしては、色合いや密度感等、荒涼とした様が上手くまとまっており、渋くて気に入っています。

「PanzerkampfwagenⅠ Ausf B」  縮尺1/35・縦14㎝・横18㎝・高さ19㎝

ズベズダの1号戦車B型を使用した作品です。1号戦車は小ぶりの車両ですので、ベースが単調にならないよう樹木で高さを演出し、車両奥から手前にかけてベースを大きく傾斜させました。

普段、作品の前後は構想段階で決めてあり、途中でスタイルが変わることは珍しいのですが、今回は途中まで正面をどこに持ってくるかで悩んでいました。

出来上がりは正に王道。模型を使用した飾り物としてみれば、理想的なプロポーションではないでしょうか。フィギュアの設置してある側から斜めに観るのが綺麗です。

「ZSU-23-4M SHILKA」  縮尺1/35・縦23㎝・横30㎝・高さ34㎝

薄暗い山林に展開する自走対空砲の図。ドラゴンのシルカです。薄暗さを演出するため全体を暗く、いつものようにベースも寒色としました。

当初、針葉樹でびっしり茂った密林にする予定でしたが、自作の針葉樹製作に疲れ果てて2本で断念。これもいつものパターン。針葉樹の設置目標は、達成されたためしがないのです。もう少し楽に針葉樹が作れないものか…。

ベースが少し大きすぎたので余白が目立つことと、高さを出しすぎたのが反省点ですが、色合いもうまくまとまっており、全体の雰囲気としては悪くないと思います。

しかし、シルカ格好いいですね。やはり現用はロシアに限る。楽しかったので再制作候補に入れました。

「NORMANDEY 1944」  縮尺1/35・縦18㎝・横26㎝・高さ?㎝

コレクターの方からのご依頼で制作した作品です。お題は「トーチカにMG42」「土嚢陣地に砲か機関砲」「カットモデルにすること」でした。イメージイラストをお送りし、それに合いそうなキットとして、タミヤの3.7㎝FLAK37を選択。

ある程度具体的にご指定いただけたので、こちらの構想も早い段階で固まりました。折よく、知人がフランス土産としてトーチカの写真集をくれたので、ちょうどトーチカが作りたかったのです。何というタイミングでしょうか。

大作ではカットモデルは多用するのですが、小ぶりの作品では初めてでしたので、バランス調整には特に気を配りました。個人的にはイメージ通りに出来たと思っているのですが、いかがでしょうか。

トーチカとか要塞系は、大変ですがとても楽しいので、シリーズ化しても面白いかもしれません。この度は、楽しいお題をありがとうございました。

「BARBAROSSA 1941」2作目  縮尺1/35・縦18㎝・横26㎝・高さ?㎝

「BARBAROSSA 1941」1作目(作品ページ③に掲載)をご覧になった方から、「同じ作品を」というご要望をいただき、制作しました。キットは同じくタミヤの2号F型で、その他の素材も全て同じです。

実は以前から「全く同じ作品を作ってみたら、どこまで忠実に再現できるだろうか?」という疑問を持っており、ちょうどその疑問に答える機会をいただいた形となりました。

しかし現物は既に手元に無かったため、写真を見ながらの複製作業となり、思いのほか苦労しました。特に色合いは、写真やモニター越しとは大分印象が変わるので、記憶で補完しつつ進めています。

一方、水面の濁り具合には意図して変更を加えています。前作はせっかくの浅い水なのに、濁らせすぎて透明度が低く、川の中が見えづらかったためです。結果、1作目、2作目、それぞれに長短があり、意義深い様となりました。 これは…3作目、4作目もりうるかもしれません…。

「BRUMMBAR」  縮尺1/35・縦18㎝・横23㎝・高さ25㎝

タミヤのブルムベアを使用し、擱座した車両と乗員の脱出を表現しました。今作では、何点か実験を行っています。まず、車両を後ろ向きに配置すること。やや後ろ向きというのは今までにもありましたが、結構大きな角度で逆向きなのは、今作が初めてだったと思います。

次に、車両より高い構造物(鉄柱)を手前に配置したこと。バランスが悪い時に、手前側でも補完したいことがこれまでにもありました。しかし、主体を見えづらくするのは躊躇していたのです。

印象は良好。というか鉄柱じゃ全然隠れてない。もっと思いっきり隠してもいいいですね。これ以降、必要があれば手前に構造物を設置する手法を使うようになりました。

更に建物やベース、全体の色合いを、あえて同系色で統一してみました。仕上げに真っ黒なネームを貼り付けたら、凄くマットな仕上がりです。 これは渋すぎる…。すごく格好いいと思います。