作品ページ⑥・1/35 ミリタリー 2020~

「RSO PAK-40」  縮尺1/35・縦25㎝・横34㎝・高さ21㎝  2023.12.30

雪の岸辺にて、建物の影に隠れて展開する対戦車自走砲の様子を情景として制作しました。建物は小屋の写真集を見ながら楽しく妄想。小屋っていいですよね。

ショベルカーやブルドーザーなどの建機も好きなので、なんだか「働く車」感のすごいこの車両は特に好みです。

また、無蓋車両は立体感と密度感があり、うまく使えば他の要素との一体感が醸成されやすいので、情景化するのには向いていると言えるでしょう。

ただし内部まで作る必要があるため作るのが煩わしく、忙しい時はいっつも後回しにしてしまいます。まぁ最初だけのことで、いざ作り始めたら楽しいのですが…。

本当は左奥にもう少し樹木を増やしたかったのですが、展開している部分が視認し難くなるため樹を1本だけにしました。

その分、正面以外からの鑑賞にも耐え得る作品になりましたので悪くはないと思います。今期のお気に入りです。

「CARRO ARMATO M13/40」  縮尺1/35・縦20㎝・横26㎝・高さ22㎝  2023.12.30

川沿いのひまわり畑を踏みしだいて前進する車両。ちょっと立ち止まってミーティング中の様子を情景化。青々とした緑の草に鮮やかな黄色の花が良く生えています。

この車両、色々と思い入れがあるせいか結構何度も作っています。

いつもはイタリア軍仕様で制作するのですが、毎回同じだとさすがに面白くないので今回はドイツ軍仕様で制作してみました。

長閑な雰囲気で、綺麗な色味も目を引く1作。草花にすっぽり埋もれている感じが良いのですが、高低差に乏しいので高めの樹木を1本設置して全体のバランスを調整。

草に埋もれて見え難いのですが、右奥には岩肌の部分も造作してあります。

今期は冬や秋の荒涼とした情景制作が多かったせいか、植物の青々とした様と澄んだ小川の風景を見るとホッとします。飾り映えのする作品になりました。

「Sd.kfz.250/9 DEMAG」  縮尺1/35・縦21㎝・横26㎝・高さ22㎝  2023.12.30

紅葉の水辺にてミーテイング中の車両とクルーの様子を制作しました。人気の紅葉シーンで小作品の情景化。

今期はもう1作「Sd.Kfz.182 TigerⅡ」で大型の紅葉作品を作りましたのでので、今作はそのコンパクト版です。

朱や黄の色鮮やかな雰囲気の植生に加え、水の面積を大きめに取り水面に浮かぶ落葉の表現に注力しました。

台座は見た目の雰囲気を決める重要な要素の一つなので、いつも最後まで悩む部分。

色は作品のイメージや風景に合わせて決めていますが、今回はダークブラウンにしました。紅葉や秋といった情景をダークブラウンの台座色が引き立てています。

小ぶりで纏まりもよく、高級感もあるので満足のいく仕上がりとなりました。

「Sd.Kfz.123 LUCHS」  縮尺1/35・縦25㎝・横32㎝・高さ29㎝  2023.12.29

岸辺の雪道にて停車する車両と、遠くを眺める車上クルーの様子を情景化しました。

この車両は小型ながら重厚感のある雰囲気とごつごつした立体感が好きで、以前から作りたかった車両です。

ネコ好きの私にとっては「山猫」という愛称もいいですね。

台座の形状は、水面と道路、森林部分の3段構成で高低差を持たせており、綺麗に立体的に見えるよう意識して作っています。

自作の針葉樹やちょっとした木柵などの要素も加え、見た目の変化を持たせることにも注力しました。

寒々しい寂しさのような雰囲気が何とも言えず良いのではないでしょうか。正面や水側からの鑑賞にも迫力があり、自分でも気に入っています。

「TYPE89 MEDIUM TANK」  縮尺1/35・縦24㎝・横27㎝・高さ21㎝  2023.12.29

道路脇、雪の封鎖線にて閉塞停車する車両を情景化。一応日本国内をイメージして制作しました。

全体的に平坦な情景になることは想定されていたため、レンガ塀や木製のバリケードなどを設置。その上に、更に高い樹木を設置することである程度の立体感を補っています。

右側と違い、左側には門柱や壁を設置せず歩道部分のみ造作。本当は両側に欲しかったのですが、車両やフィギュアが見え難くなるため、車両とフィギュアに対する視認性を確保することを優先しました。

車両は閉塞のため停車しているイメージだったのですが、人が横を並走しているせいで車両も一緒に動いているようにも見えてしまいます。そこだけちょっと反省です。

薄っすらと積もった雪とバリケード、横を行くマントの将校が色々と妄想を掻き立てるようで、色々な方からツッコミを頂戴しました。作ってよかったです(笑)

「JAGDPANZER 38(t) HETZER」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ24㎝  2023.12.29

倉庫や工場といった建物と瓦礫。建物と木々の隙間から身を潜めて待機している車両の情景です。廃墟の風景写真を見ながら妄想した1作。

自身の情景制作で比較的大きめの建物を制作する際、あまり大きな樹木などと絡めることが少ないので、今回は両方入れてみました。高い木と建物です。

地面の部分はベースの手前を盛り上げて瓦礫をちりばめ、その隙間に包み込まれているような雰囲気を醸成。

手前を高くすると鑑賞時の視認性が低下するので難しいところですが、少々であればベースとの一体感や状況の説明には一助となります。たまに使う手ですが、良し悪しですね。

ぐにゃっとしたその切り立ちは自然で、まさに地面を切り取ったかのような見た目が良く表現できたと思います。まずまずでしょうか。

「PT-76」  縮尺1/35・縦21㎝・横31㎝・高さ28㎝  2023.12.28

久しぶりに大戦物以外の車両を作りたくなったので制作しました。オーダー品以外の作品においては数年ぶりの戦後車両となります。

大まかな作品構成はいつものお気に入りレイアウトです。

本車両は大型のわりに車高は低く平坦な車両であるため、ベース形状や植生に水面の表現など、他の要素で立体感を演出すべく努めました。

今期他作品が透明感のある水表現ばかりなので、今作では濁らせて不透明にしようかとも考えました。しかし、せっかくなら中が透けていた方がワクワクするかなと思い直し、透明感は残すことにしました。

水面積が多いのと、水面の表現や透明感が目を引くため、完成披露した周囲からの評判は中々良かった今作。自分でもよくできたと思います。

「VICKERS CROSSLEY M25」  縮尺1/35・縦16㎝・横23㎝・高さ15㎝  2023.12.28

ずっと制作したかったシーンの情景です。普段はあまり時代背景を特定できるような情景の作り方はしない制作方針なのですが、セーラーが居るとどうしても分かりやすい情景にならざるを得ませんね。

愛嬌のあるドーム状の砲塔に、時代を感じさせる立体的な車体。この時代の車両はとても立体的な魅力に溢れていて好みです。

瓦礫と化した建物と簡易の土嚢陣地は自作で、出来るだけ視認性を高めるため建物と陣地の中間は抜きました。一応は4面とも鑑賞に耐え得る構成にしたつもりです。

思い入れが強いせいか小作品のわりに迫力があり、周囲からの評判も良好でした。ただ、選択シーンがややマニアックなので、どれほどの需要があるのかは未知数です。

自分の中では今期のお気に入り作品となりました。

「DODGE WC56」  縮尺1/35・縦19㎝・横24㎝・高さ27㎝  2023.12.28

森の中、雪の小道にて停車しミーテイング中の様子を情景化しました。

この車両、完成すると思っていたより大きいんですよね。軽車両というよりは小型トラックに近い厳つさで、個人的には良いと思います。

自作針葉樹や木柵などの各種要素を加え、小作品ながらも立体感を損なわぬよう気を付けて制作しました。

フィギュアや車両の配置、前後の余白部分の取り方で少し悩みましたが、程よく配置できたのではないでしょうか。余白の処理って難しいけど大切だなと、いつも痛感しています。

車両の正面から眺めると「働く車」らしさが際立って見え、周囲の風景とうまく組み合わさり迫力があります。飾り映えのする作品になりました。

「Sd.Kfz.182 TigerⅡ」  縮尺1/35・縦30㎝・横39㎝・高さ30㎝  2023.12.28

昨年制作した紅葉の情景がご好評をいただきましたので、車両を変えて再挑戦した1作。

毎年欠かさずに赴く紅葉スポットがあり、そこに行くと色々な創作意欲が湧いてきます。帰宅後は風景写真集などの蔵書を用いて更に妄想し、情景を形にしていくわけです。

戦車模型は地味になりがちなので、今作のように情景自体が色味鮮やかというのは珍しいのではないでしょうか。

飾っておく物である以上、見た目のインパクトや飾り映えのする作品性が重要だと常々考えている次第です。

朱や黄などの鮮やかな植生に、全体に散った落葉の様。奥には木製の掘立小屋があり、水面に流れ浮く落ち葉も大変綺麗にできました。

サイズは今期の正月出品作中では最大サイズで、迫力のある大作となっています。

「M142 HIMARS」  縮尺1/35・縦26㎝・横37㎝・高さ22㎝  2023.07.10

お客様からのオーダーにて制作した一品で、普段はあまり作らない現用車両、ハイマースとフィギュアの情景作品です。

イメージ写真の提供がありましたのでその雰囲気に近い情景になるよう制作を開始。草地に道路、路肩で展開中といった内容の写真でした。

それだけだと少し寂しいので道路脇には石のボラードを追加し、部分的に多少の高低差を設けるとともに、植生や配置にも気を配りメリハリをつけています。

キットは各部が非常に繊細であるため、輸送時の振動で破損しないよう要所には金属線を入れるなど強固に補強しました。

車両は大きく立体的なので、大きめのベースサイズでも間延びすることなく迫力十分。見ごたえのある作品となっています。

「TYPE97 ADDITIONAL ARMOR」  縮尺1/35・縦21㎝・横26㎝・高さ24㎝  2023.05.19

オーダーにて制作した作品です。

以前に制作した「TYPE97 CHI-HA②」とよく似た作品で、載せる車両を変えるというご要望でした。ですから前作とほとんど同じ構成です。

車両が違うと言っても、増加装甲型かそうでないかといった程度の違いである上、迷彩塗装もほぼ同じ。近くで見なければ見た目にはほとんど違いが分かりません。

他作品と並べて飾るのであれば少し違った雰囲気になるようにと、台座色をベージュからブラウンに変更し、車両の設置方向を逆向きにしました。微々たる差ですが、これだけでも大分雰囲気は変わります。

前作と違いご希望によりフィギュアも載せましたので、見どころも増え飾り映え良好な作品となりました。

「TYPE1 Chi-He」  縮尺1/35・縦18㎝・横23㎝・高さ15㎝  2023.05.19

お客様からのオーダーにて制作した作品です。

演習中の雰囲気というご要望だったので、どういったシーンにするか選定に悩みました。ご希望の指定フィギュアが敬礼しているポーズだったこともあり、最終的に閲兵式にて車両行進中ということにしてみました。

同時オーダー品が緑の濃いジャングル風の作品ばかりなので、差別化を図るため秋冬をイメージした枯れ色の植生とし、雨で泥濘んだ道を行くイメージで制作しています。

あまり立体感は無い作品ですが、それ故に作品としては全方向からの鑑賞にも耐えうるものとなっています。建物や樹木を加えると見た目は良くなるのですが、逆にそれが遮蔽物となってしまい、鑑賞方向が狭まってしまうんですよね。

「KOMATSU G40 BULLDOZER」  縮尺1/48・縦16㎝・横23㎝・高さ22㎝  2023.05.19

こちらもお客様からのオーダーにて制作した作品です。

1/35ではなく1/48サイズなので、普段常用しているサイズではありません。そのため、スケール感の違いにやや戸惑いつつ制作。

ブルドーザーが整地しているシーンですが、土が盛り上がって削れていく様をいかに表現するかで悩みました。

抉れている地面の部分は縮尺を考えれば掘れ過ぎな気もしますが、ぱっと見で「整地している感じ」を分かり易くするためにオーバーに演出しています。

加えて、整地済みの部分と非整地部分の色味を強目に変えることによって、そういった見た目の雰囲気を分かり易くしてみました。

建機も大好きなので、楽しんで作らせていただきました。

「M1A2 ABRAMS」  縮尺1/48・縦18㎝・横23㎝・高さ16㎝  2023.05.19

オーダーを受けて制作した作品です。

普段は1/35スケール限定でのみ制作依頼をお受けしているのですが、今作は1/48です。1/48を作るのも現用車両をつくるのも7年ぶり位でしょうか。随分久しぶりです。

ご希望は砂漠走行中のシーン。簡単な砂地の地面に、走行中であるという勢いを感じさせるようにベースに傾斜をつけて立体感をもたせました。

砂漠風の情景にはダークブラウンの台座色がよく合い、高級感を持たせてくれます。

現用車両も好きなのですが、オーダー以外だとどうしても大戦物のほうが人気があるため、そちらにばかり注力してしまいます。今回は結構楽しかったので、余裕があればそのうち現用物も作ってみようと思いました。

シンプルではありますが、ちょっと飾っておくには案外こういった作品も良いのかもしれませんね。結構気に入っています。

「JAGDTIGER」  縮尺1/35・縦27㎝・横40㎝・高さ26㎝  2022.12.30

他の作品説明でも述べていますが、今期(2022年)は作品ごとの季節感や個性を特に重視して制作しました。紅葉や雪、花畑に熱帯地、渓流など、バリエーションは例年になく豊富だと思います。自身も楽しみながら制作出来ましたので、今後も様々な創作に挑戦していきたいと思いました。

さて作品ですが、今作は森の中、小川に沿った雪道を進む車両を表現しました。いつもと同じく、針葉樹他、キット以外のほとんど全てが自作です。

普段は車両停止中の情景を作ることが多いので、フィギュアを車上と地上に分散配置するのですが、今作は移動中という事で珍しく全員乗車させた風景にしてみました。

ベースは冬季を意識した寒色のブルーグレーで塗装し、差し色として加えた砲身の赤鉄色が映えています。小川と小橋も入れたかったポイントです。

自身が得意とする構図のため安定感があり、綺麗な仕上がりとなりました。飾り映え抜群の大作です。

「CRUSADER Mk.Ⅰ」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ23㎝  2022.12.30

普段、砂漠風の情景を制作するときは荒野が多いので、偶には雰囲気を変えてみようと思い立ち集落の路地のような風景を再現。

自作の建物は、車両を囲むように建物を配し、高さにも変化を加えることによってバランスを取っています。

砂の多い土地には水の造形を加えたくなるもので、取水場を設置し、壁面から流れ落ちる水も表現してみました。今作の見所の1つです。

全体が淡泊になるのを避けるため、植生の緑を加え、強めに青を入れた水面で変化を付けました。情景の水表現は、大げさなくらいの色味の方が映えるので良いと思います。

コンパクトながらも立体感などの変化があり、高級感が感じられますね。インテリアとして良好な作品に仕上がりました。

「Pz.Kpfw.Ⅰ ausf.B」  縮尺1/35・縦18㎝・横26㎝・高さ17㎝  2022.12.30

道をテーマにした写真集を読んでいて作りたくなった1品、花咲く長閑な田舎道です。色々なテーマに興味がありますが、道もその1つ。気に入った道はイメージをストックしておいて、後程作品に落とし込みます。

作品に華やかさを添えているヒマワリは、茎から葉まで1本1本全て自作した苦労の産物。緑と黄色の対比が綺麗です。

今期の「TIGER FERDINAND」の方は、全体にみっちりとヒマワリが敷き詰められているのに対して、こちらのヒマワリはやや疎らで規則性がありません。草木も生えていて、花畑というよりは半野生状態でしょうか。

また、高低差をつけるために石垣や木柵、建物などの要素も盛込みました。屋根瓦は新しい素材と工作を試してみたかったので、いつもと違いスレート瓦にしています。

コンパクトながらも色鮮やかで変化もあり、良好な作品に仕上がりました。ただ、ヒマワリ造りが非常に大変だったので、今後も使うかどうかは何とも言えないところです。

「JAGDPANZER E-25」  縮尺1/35・縦26㎝・横37㎝・高さ22㎝  2022.12.29

今作の見所は何といっても茅葺屋根のログハウス。前から作りたかった茅葺に初めて挑戦してみた記念すべき作品です。

家族がTVゲームをしている所を横から見ていて素敵な雰囲気の茅葺ボロ屋が出てきていたので、思わず写真に撮って参考にしました。最近のゲームは考証もしっかりしている物が多く、下手な写真集より参考になることもあります。

屋根部分は本当に茅で葺いていますので、何度もバラバラになって制作はとても大変でした。更に、壁部分も一部を本当にログ組みするなど、苦労の産物です。最後に石や木材を錘として屋根上に配し、ボロ屋根の雰囲気も抜群。

他にも、石垣や柵扉など拘りの要素も沢山詰め込みましたので、まるで時の流れが止まったかのような古めかしい寒村の1軒屋の風景がイメージ通りに出来上がりました。

薄く積もった雪の雰囲気も加わり、全体に重厚感のある大作で、今期のお気に入りです。何とか茅葺を再現する目途がつきましたので、今後も作ってみようかと思いました。

「TYPE94 TK」  縮尺1/35・縦19㎝・横28㎝・高さ21㎝  2022.12.29

小型車両を用い、紅葉の水辺を再現した小作品を作りたかったので制作しました。

今期はもう1作「PANZERWERFER 42」で大型の紅葉作品を作っていますので、今作はそのコンパクト版です。

また、同じ旧軍車両として作った今期の「TYPE97 NEW TUURRET」の方は暑い南国のシーンですので、対比として本作は涼しげな秋で仕上げてみたということもあります。

作品としては、色鮮やかな紅葉の木々に、澄んだ小川には落葉を散りばめ、季節感を感じられるように注力して作りました。

車両が非常に小型(家の軽4と同じ位!)なので、全体のスケール感を損なわない様、車両近くにフィギュアや植生を固めて配置する事も欠かせません。

清涼感のある外観に加え見所も豊富。飾り映えが良好な小作品に仕上がったと思います。

「M3 STUART」  縮尺1/35・縦22㎝・横32㎝・高さ28㎝  2022.12.29

今作の見所は高低差のある滝の部分と、それらを形作っているゴツゴツとした岩肌です。

ここ数年、落差のある水表現を色々なテーマで試行錯誤しており、今回は渓流を表現してみみることにしたわけです。

制作にあたっては、岩肌や水面の落差を違和感なくベースに盛り込むため、全体的に相当の高低差があるベースを構築しました。

全て自作していますので慣れない造作部分もあり、岩肌や水の流れなどかなり時間が掛かりましたが、落差のある流れが上手く再現できたと思います。

小さなベースの割に高さがあり、正に立体造形と呼ぶに相応しい作品で、今期お気に入りの1つとなりました。

中々楽しかったので、次回はもっと落差のある滝でも作ってみようかと早くも妄想している所です。

「TIGER FERDINAND」  縮尺1/35・縦24㎝・横37㎝・高さ18㎝  2022.12.28

小屋をテーマにした写真集を読んでいて、「ヒマワリ畑と農具小屋」の風景が無性に作りたくなったので制作しました。基本的には作りたい風景が先行して制作を開始します。

小屋っていいですよね。車で走行中に良い雰囲気の小屋を見つけると、思わず停車して鑑賞する事も珍しくありません。妄想のイメージを日ごろから頭にストックしておくのが大切だと思う次第です。

作品としては、車両設置のための農道を中央に配し、脇には農業用水路に加え畑に続く小道も作りました。花畑の中から小道を通して奥を覗き込めるのも楽しみ方の1つです。

ヒマワリは市販キットだと材料費の激増と多量に数を確保するのが大変、などの問題が生じます。そこで市販品ではなく全て自作しましたが、茎や葉を1本1本自作するのはとにかく大変で、作品制作時間の大半はヒマワリ作りに費やされてしまいました。

大きさの割にはやや平坦ですが、鮮やかな明るい色使いや花畑などはAFVの情景では珍しく、全体が華やかで目を引く大作となっています。

「KUBELWAGEN TYPE82」  縮尺1/35・縦16㎝・横23㎝・高さ12㎝  2022.12.28

砂漠のオアシスをテーマに制作した小作品。水辺で停車して打ち合わせ中といったところでしょうか。

いつもは砂漠を作るとなると、高さを出すためにヤシの木を設置することが多いのですが、少し雰囲気を変えて今回は岩場とサボテンにしてみました。

オアシスの水は鮮やかなブルーで、自作の岩場もゴツゴツとしたイメージが上手く出せたと思います。

それら要素ごとの色味や配置がはっきりしているため、作品としてパキっとした纏まり感が出せました。何というか、小さい作品の割に存在感があります。

高低差に乏しい部分は当初から気にはなっていましたが、全体の纏まりや作品性は良好なので、今回はこれはこれで良いかと思います。

「PANZERWERFER 42」  縮尺1/35・縦27㎝・横39㎝・高さ28㎝  2022.12.28

水辺の写真集を読みつつイメージを練っていた時、ふと頭に浮かんできた風景を具現化した作品です。自分の中では「瞑想タイム」と呼んでいます。

今期は例年に比べても特に、作品ごとの季節感や雰囲気など、個性を演出する事を心がけました。今作もその一つで、鮮やかな紅葉の1シーンです。

紅葉の森には木造小屋。流れる小川には桟橋が掛かり、一面に落葉の鮮やかな色味が広がります。森の広がりを感じさせるように要素の配置や高低差に気を配り、木々は朱や赤、黄色など、色味を増やすことで全体に変化をつけました。

自作の針葉樹や木造倉庫など地道な作業の連続で大変ではありましたが、その甲斐あって、車両目線の高さや桟橋付近から覗き込んだ時の没入感は抜群です。

ミリタリーの情景では珍しい鮮烈な配色、他には無い個性的な大作に仕上がりました。今期の自身お気に入りの1作です。

「TYPE97 NEW TUURRET」  縮尺1/35・縦23㎝・横33㎝・高さ24㎝  2022.12.28

例年ご好評をいただいている旧軍の上陸シーンの作品を、車両とフィギュアを変えて小アレンジにて今年も作りました。

今まで惜しくも入手できなかった皆様に少しでも拙作がお届けできればという思いですが、完全な一点物だと欲しい方全員にお譲りできないのが残念ですね。

作品は、南方のジャングルに青みがかった透明感のある水面。波が打ち寄せ泡立った様子がとても綺麗に仕上がっています。

ベースの地面部分に少し傾斜を付けることで躍動感を演出。

また、自作のヤシの木やシダ植物などを詰め込むことにより高低差や密度感も醸成しています。動線などでそれらの勢いを補完すべくも努めました。

定番の構成故に失敗は無くうまく纏まっており、飾り映えのする良作に仕上がりました。

「TYPE95 HA-GO」  縮尺1/35・縦17㎝・横24㎝・高さ20㎝  2022.07.01

お客様からのオーダーにて制作した作品です。

ジャングルに海軍仕様の95式軽戦車を配置し、可能な限りコンパクトに仕上げるというのがご要望でした。

ベースに少し傾斜を付けることで躍動感を演出。自作のヤシの木やシダ植物などを詰め込み、小ぶりながらも密度感の高い1作に仕上がりました。

旧軍車両は造形が非常に立体的で、情景に仕立てやすいので好みです。人気もある様子なので、またそのうち作ろうと思います。

今回は依頼によりフィギュアが無い作品が多くなったのですが、人が居ないのも渋くていいですね。

「TYPE97 CHI-HA②」  縮尺1/35・縦20㎝・横25㎝・高さ25㎝  2022.07.01

同日掲載の95式と同じお客様からのオーダー品です。

シーンとしては上記の95式に近いジャングルで、可能な限りコンパクトにすることがご要望です。

ヤシの木やシダ植物などの植生は、95式とあまり同じになりすぎない様に少しだけ変化を加えました。

それに加えて台枠の色味も変更することで、飾った時に違った見方で鑑賞が出来るように気を配っています。

両作品は車体色も違うので、並べて飾っても見栄えは良好だと思います。

「TYPE97 TE-KE」  縮尺1/35・縦16㎝・横21㎝・高さ23㎝  2022.07.01

お客様からのオーダー品です。

ジャングルにて浅目の小川を渡河中の雰囲気をコンパクトに、というご要望です。

しかしこの車両、1/35にしてはとても小さいですね。通常だとこのベースサイズで装甲車両と小川を入れ込むことはサイズ的に苦労するのですが…。

あまりの小ささにヤシの木が巨大に見えるような。スケール感がおかしくなりそうなので、木をもう少し小さくするべきだったかもしれません。ちょっと反省。

とはいえ全体の構成は安定感があり、飾った時の見栄えも悪くないと思います。まずまずの仕上がりではないでしょうか。

「TYPE97 CHI-HA③」  縮尺1/35・縦18㎝・横23㎝・高さ16㎝  2022.07.01

オーダーにて制作した作品です。

雪原を走破中というイメージ図があるようで、それに近い作品をとのご要望でした。

一面銀世界というのも悪くはないのですが、どうしても変化に乏しくなりますので良し悪しです。

小さな枯れ草などは配置した物の、可能であれば樹木や柵なんかの1つでも追加したかったところ。

ベース色は寒色系のブルーグレーで、寒そうな情景で多用する配色です。

色々と手を加えたい部分は残りましたが、最終的にまあこれはこれで良いかなと思った次第。

「BATTLE OVER THE REICH③」  縮尺1/35・縦26㎝・横51㎝・高さ32㎝  2022.01.22

拙作「BATTLE OVER THE REICH」をご注文いただいた客様から「隣に繋げて並べられる連続作品が欲しい」とのご依頼を頂戴し、制作した作品です。

以前にも連続作品として「BATTLE OVER THE REICH②」をお作りしたのですが、そちらは真横に並ぶ形でした。今回は、1作目と合わせてコーナー展示ができるようL字型に制作しました。

既製品を利用すると創作の自由度が下がる場合がありますので、色々な物を普段から自作するように努めています。今回の制作にあたっても、市販キット以外のトーチカや機材類などの部分では出来るだけ自作するよう努めました。

完成すると単品で飾る場合は長手方向が正面になりますし、連結して飾る場合は短手方向が正面に来ます。お客様と相談しながら作ったわけですが、中々面白い方法ですね。

人工物と植生の配置もバランスが良好で非常に纏まりが良く、単品としても連続作品としても飾り映えのする1作に仕上がりました。





写真は前作との連続した展示の風景です。

表面のトーチカや草地の綺麗なつながり、裏面の連続性等もよく分かっていただけるかと思います。高低差と立体感に富んだ迫力のある連結作品に仕上がりました。



1作目の掲載ページはこちら ⇒ 作品ページ⑤「BATTLE OVER THE REICH」

「PANZER JAGER WAGEN」  縮尺1/35・縦26㎝・横37㎝・高さ33㎝  2021.12.30

普段から好んで作る小川沿いの風景を、鉄道堤の冬季仕様で制作してみました。

鉄道系は色々と作ってみたいテーマがあるのですが、如何せんサイズが大型化してしまうため、いつも躊躇してしまいます。

今回の車両も長い編成の1両ではあるのですが、単体でも成立するような迫力ある外観であるため、作品をある程度コンパクトにまとめることが出来ました。本当はうしろに沢山連なっているわけですね。

全体の様子としては、堤や自作の針葉樹を配したため高低差もあり、水面や雪なども加わって非常に表情が豊かな作品となりました。特に線路の前方から覗き込んだ時の没入感は抜群です。

今期の作品の中でもお気に入りの1作です。

「STURMTIGER」  縮尺1/35・縦24㎝・横35㎝・高さ27㎝  2021.12.30

集落の中ほど、路上で給弾作業中のストームタイガーと乗員を再現しました。

本車は大きさの割に平面的な車両のため、建物やフィギュア、樹木に木柵など、各要素を効果的に配置することで、情景全体の立体感と統一感を損ねない様に努めています。

大まかな構図は自身が好んでよく使うスタイルなのですが、煉瓦や瓦の雰囲気、あるいは各要素の方向や配置など、普段の作品とは少し違った組み合わせに挑戦してみました。

それらが少し変わるだけで全く違う雰囲気に仕上がりますので、楽しみながら作ることができました。これからも色々な角度から制作していこうと思っています。

この構図は前後から覗き込んだ時の没入感が抜群ですので、今作も非常に迫力のある作品に仕上がりました。

「STAGHOUND Mk.Ⅰ」  縮尺1/35・縦21㎝・横30㎝・高さ17㎝  2021.12.30

自身が好んでよく作る、街道と河川、石垣などの組み合わせで制作しました。

今作では普段から使っている自作の樹木に加え、新しい方法で作る植生を増やす等、色々と挑戦してみました。より自然な情景になったのではないかと思います。

使用した装甲車は、4輪の割には高さや大きさがかなりあり、立体感も十分な車両です。そのため、一見すると平坦な風景の中にあって、上手く作品全体のバランスがとれるよう作用したのではないでしょうか。

作品としてはよく使うシンプルな構成ではありますが、それ故に失敗も少なく、完成後の出来が保証されているとも言えます。

想定通り今作も見栄えは良好で、満足のいく仕上がりとなりました。

「PANTHER Ausf.G」  縮尺1/35・縦24㎝・横37㎝・高さ26㎝  2021.12.29

ちょっとした集落沿いの小川を渡河中の様子を再現。蔦や樹木など、枯れた植生の風合いが寂れた感じを醸し出しています。映画やゲーム、風景写真集などを見ていて、小さな橋の掛かった風景を作りたくなったので作ってみた作品。

自作の建物と橋、その下に流れる小川が拘りで、映像作品をイメージ源として作成したせいもあり、どことなく幻想的な雰囲気でもありますね。

あまり史実や現実に拘りすぎない方が見栄えの良い作品ができる場合もありますので、私は基本的に妄想を制作の原動力として作っております。ファンタジーです。

色味に関しては、当初雪景色にしようかとも悩んでいたのですが、「寒そう」よりは「寂しい」感じを前面に押し出したかったので、今回のような仕様になりました。

全体的に統一感があり、見栄えは大変良好。今期お気に入りの1作です。どうでもいいですが、個人的にパンターは後ろから見た状態が好きです。

「SU-122」  縮尺1/35・縦27㎝・横29㎝・高さ31㎝  2021.12.29

写真では水面が見難いですが、車両は水中を進んでおり、草木の茂る湿地帯を進軍している様を表現しています。

撮影があまり上手くないので、お見せしたいシーンが見難くなり、いつも苦労しております。

構成はシンプルながら植生や水の表現には普段以上に手を加えましたので、全体の密度は非常に濃厚となりました。

当初はもっと針葉樹の生い茂る様をイメージしていたのですが、視認性が悪くなるので、手前部分の樹木はあえて蔦の這う倒木としました。

結果的には、密度を損ねることなく雰囲気も出せたので良かったかと思います。飾り映えのする1作となりました。

「GAZ-67B」  縮尺1/35・縦16㎝・横23㎝・高さ19㎝  2021.12.29

小川沿いの木の下でミーティング中の様子を表現しています。

近作の「SCHWIMMWAGEN TYPE166」と同時に制作を進めた作品。やはり偶には小作品もいいですね。

今作は「樹木の制作と使用方法」を試すための習作で、お客様からのオーダーにあった要望を試すための試験作品でした。新しいことを試すときは、大掛かりな作品の前にまず小作品で試すことが多いです。

試作は概ね満足のいくもので、作品としても全体の纏まりが良く、見所が沢山あるので飾り映えも良好です。

これからの作品にも少しずつ取り入れようかと思いました。

「TYPE97 CHI-HA」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ23㎝  2021.12.28

昨年は95式軽戦車を制作したので、今年は97式中戦車で制作してみました。車両サイズに合わせて、ベースサイズも前作より少し大きくしています。

動線や要素の配置に気を配りつつ、上陸し密林に突入する瞬間を迫力ある形で再現できるよう努めて作業しました。また、毎回自作しているヤシの木やシダ植物などの植生、その制作には今回もかなりの労力を割いています。

手前に配置されたヤシの木は、鑑賞視点を妨げるので最後まで悩んだのですが「密林の中に突入する瞬間」という雰囲気が欲しかったため、あえて配置しました。

その甲斐もあり、覗き込んで鑑賞した際の没入感は抜群です。構図や配色もうまく纏まっており、飾り映えのする良作に仕上がりました。

「Sd.Kfz.234/2 PUMA」  縮尺1/35・縦24㎝・横33㎝・高さ27㎝  2021.12.28

2020年に制作した廃工場が水浸しになっている作品「Sd.Kfz.232 (8-Rad)」の評判がとても良かったので、車両と雰囲気を変えて再制作してみました。

前作はコンクリート柱を主体として作成しましたが、今作ではレンガ壁をメインに据えています。また、扉下を車両がくぐっている様は今までやりたかったことの1つで、丁度よい機会でしたので今作に盛り込んでみました。

建物はいつもの作品と同じく全て自作なのですが、今作では地面に散りばめているレンガの瓦礫も自作しました。なんと、陶土で自作したミニチュアサイズのレンガを電気窯で焼成した本物のレンガなのです。散らばっている瓦礫なので、地味すぎてあまりインパクトはありませんが…。(建物本体は陶土ではありません)

手間暇も非常にかかっていますし、全体のバランスも良好で、今期作の中でも1番の労作です。

「SU-85」  縮尺1/35・縦22㎝・横31㎝・高さ22㎝  2021.12.28

小川沿いの集落にて休息中の様子を再現しました。長閑な風景の中、アコーディオンの演奏会でしょうか。

普段は緊張感のあるシーンの作品を作ることが多いため、今作のように緩い感じの作品は少なめです。演奏する者と聴く者との距離感と向きに拘りました。いい距離感。

全体のバランスを重視し、建物、車両、小川、フィギュアの配置にも気を配っています。砲身はあえて台座の外側に飛び出す形で設置しました。

アコーディオンの赤が中央で差し色となって、作品全体が締まって見えますね。

シンプルな構成ではありますが、それ故に安定した飾り映えのする1作に仕上がっています。

「SCHWIMMWAGEN TYPE166」  縮尺1/35・縦12㎝・横22㎝・高さ21㎝  2021.12.28

この1~2年は比較的大きめの情景ばかり作っていましたので、久しぶりに小さい作品も良いかなと、今作では軽車両に小さな台座でシンプルにまとめてみました。

小ぶりではありますが地面には多少の高低差を設け、雪中の枯れ木や蔦などを配し、全体の立体感と統一感を演出しています。

また、普段の作品よりも台座を少し高く設けたことで、存在感のある作品に仕上げました。小さいとどうしても大作より見栄えに劣りますから、大きく見せる工夫も重要ですね。やりすぎるとおかしいのでバランスが重要ですが。

少し地味な仕上がりかとも思いましたが、小さいながらも纏まりは良く、ちょっとしたスペースに飾るインテリアとしてはこれ位がちょうど良いかもしれません。

「GERMAN SECRET BASE」  縮尺1/35・縦37㎝・横53㎝・高さ47㎝  2021.05.22

お客様からのご依頼で制作した作品です。先方のご希望内容を全て入れ込んだ結果、かなりの大型作品になりました。これ程のサイズは久々に作った気がします。

車両が6台に、地下整備工場と地下作戦室、屋上の機関砲や将校集団、愛犬2頭の再現など多数のご要望を頂戴しました。それらを限られたスペースに如何に違和感なく配置するかで苦労しました。

軽車両ばかりなので、建物との対比でスケール感が狂わないよう、各部の配置や形状に気を配っています。

また、サイズも大型なので、段階を踏んで高低差をつけたり屋上にも樹木を配したり、平坦になりすぎないように高さにも気を付けました。

制作時間は相当にかかりましたが、個人的には「山林の奥に隠された秘密基地らしさ」が出せて満足しています。お客様にもご満足いただければよいのですが、さてどうでしょうか。

「ARDENNE 1944」  縮尺1/35・縦27㎝・横38㎝・高さ30㎝  2021.01.29

常連のお客様からのご依頼で制作した作品です。タミヤのキングタイガー アルデンヌ戦線を用い、箱絵の内容に近い雰囲気で制作しました。

街道に沿って木柵を配置し、脇には小川と小さな橋が架かっています。変化を持たせるために、道標と絡まる蔦も追加しました。

ベース自体は比較的平坦ですが、大きな車両に加え、針葉樹など高さのある要素を上手く配置し、立体感のある作品になるよう努めています。

車両やフィギュアの微妙な距離感にも特に気を配り、それにより、作品の外側にも世界が広がっているんだなと感じさせるような仕上がりになりました。

要所要所は過去作の上手く出来た部分を取り入れつつも、先方の要望に沿った内容でまとめられたと思います。個人的にはお気に入りの1作です。

「TigerⅠ Ausfuhrung E」  縮尺1/35・縦27㎝・横34㎝・高さ21㎝  2020.12.31

集落の中ほどでミーティング中の情景です。設置車両には以前から作品化の要望が多かったタイガーⅠを使用しました。

今までに沢山の情景を作ってきましたが、オーダーや実験作以外で自発的にタイガーを使うのは今回が初めてかもしれません。

制作に際しては、建物を車両の前後に挟み込む様に配し、集落の中に居るのだろうなという世界感を演出できるように努めて制作しました。

また、普段の作品であれば樹木などで高さに変化を付ける所ですが、前述のイメージを損ねないよう建物の設置だけに留めています。

とはいえ、完全に建物で囲ってしまうと情景としての視認性が悪いので、手前の建物は小さく端に寄せ、車両後部を隠す程度としました。

車両の大きさに加え自作建物も複数配置した大作で、迫力のある良作です。

「TYPE95 LIGHT TANK」  縮尺1/35・縦18㎝・横28㎝・高さ21㎝  2020.12.31

密林の中、河川の渡渉攻撃を試みる様を再現したくなり制作した作品。日本軍の車両は小型にも拘らず複雑な立体形状をしているので、情景にしやすくてよいですね。

配置や造作では、水に入る瞬間の躍動感や動線など、勢いのある作品を上手く演出できるように努めました。水面はあえて底が見えない程濁らせてあります。

ヤシの木やシダ植物などの植生は全て自作で、その制作にはかなりの労力を割きました。車両も水面も曇った色合いで、地面もゴチャゴチャしていますが、不思議と綺麗なまとまりがあります。高さも密度もありますので、飾り映えのする1作となりました。

自身の95式は2度目の情景化ですが、過去作は非常に古いこともあり格段に見栄えが向上したかと思います。

「M6A1」  縮尺1/35・縦23㎝・横31㎝・高さ28㎝  2020.12.31

車両のサイズが大きかったり、立体感に乏しく平面が多い等の場合、情景との親和性が低く情景化する時の使い勝手が悪いので苦手です。

この車両も若干その傾向にあります。まあ、正面はいい感じで立体的なんですがね。そこで、車体の大きさにはより大きな建物で、装甲板の平坦な部分は壁面やフィギュアなど別の立体物で隠すといった工夫で対抗しました。

また、別の効果として、車両の手前に建物などを設置することによって、覗き込む時の没入感が増すことも企図しました。特に道路の前後から覗き込んだ時には、両側を建物に囲まれ、市街地に居るような臨場感が味わえます。

それらを実現するため、延々と建物を自作する作業には苦労しましたが、苦労の甲斐あって意図した通りの立体作品に仕上がったのではないでしょうか。

「SOMUA S35」  縮尺1/35・縦23㎝・横28㎝・高さ20㎝  2020.12.30

自身が好んでよく作る、街道と河川、石垣などのシンプルな組み合わせで制作しました。

それだけでは少し寂しいので、川へ降りる石階段や所々露出した道路の石畳などの要素を追加し、変化を持たせています。正面はあえて後ろ向き。

車両の割にベースが大きい気もしますが、その分景色として見やすくなっており、飾り映えは良好です。昔はギリギリまでベースを切り詰めた作品が多かったのですが、最近は車両やフィギュアの周りに多少の余白を設け、ゆったりした造りにすることも増えました。

その方が世界観の広がりは感じやすいかもしれませんが、不要な空間は間延びして見えるので余白の使いどころは難しいところです。大きいと単純に置き場所にも困りますしね。

フランス戦車はゴツゴツしている上どこか有機的なフォルムで、個人的にとても好きなデザインです。

「15㎝ sIG33 auf PzkwⅢ」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ22㎝  2020.12.30

納屋か倉庫のような風合いの建物で小休止、といった情景をイメージして制作しました。

当初は建物の中にすっぽりと車両を収納してしまう予定だったのですが、それでは細部が見え難くなります。また、フィギュアを車上に立たせるには天井が高くなりすぎるということもあり、低めの建物に車体後部だけが屋内に入っているという配置になりました。

屋根部分は全て塞ぐと内部が暗くなってしまうということと、全体に変化が少なくなるので納屋はトタンが剥がれた状態、隣接する建物は瓦葺の仕様で制作しました。

青々とした植生に、黄色い花が入っているのもポイントです。今にして思えば赤とかピンクの色違いの花とも混ぜればよかったかな。

もう少し変化が欲しい気もしますが、無難な仕上がりで飾り映えは良好。納屋の内側から車両をのぞき込むと、没入感があり良い雰囲気です。

「Sd.Kfz.232 (8-Rad)」  縮尺1/35・縦24㎝・横34㎝・高さ30㎝  2020.12.30

破壊により床が一面水浸しになった廃工場。壊れた配管から流れ落ちる水が拘りです。

今作は随分前から温めていた構想で、やるならタミヤの8輪を使うと決めていました。たまたまお客様から私の作る8輪装甲車を見たいとのリクエストを頂戴しましたので、よし作ってみるか!と、長年の妄想が具現化する運びとなったわけです。

工場の屋根や支えるコンクリート柱は、周囲への広がりを意識しながら造形。それらが壊れた様子を自作で再現するのには相当な時間を要しました。

配管とコンクリート柱の下を車両が余裕をもって通れるようにしたかったことと、内部の視認性を損ねたくなかったので、全高は高めになっています。

今期作の中でも最大級の労力と情熱を注ぎ込みましたので、迫力のある見所満載の大作になったと思います。さてご覧になった皆様の反応はどうでしょうか。

「BARBAROSSA 1941 38(t)」  縮尺1/35・縦19㎝・横24㎝・高さ30㎝  2020.12.29

ベースサイズは小ぶりながら非常に高さがあり、見上げるように鑑賞することで一体感が楽しめる1作。自身がよく好んで使う手法です。

塹壕を下段とし、地面を中段、樹木を上段といった風に階段状に配置し、意図した位置から見上げた時に全てが効果的に鑑賞できるように作っています。

それらの余白を繋ぐ要素として梯子やフィギュア、車両を適所に配置しました。

白兵中の過激なシーンの割には小綺麗な仕上りなので、もう少し全体に泥濘や流血表現などのドロドロした演出があってもよかったかもしれません。

とはいえ当初の意図通り、高低差を活かした作品に仕上がりました。

正面向かって左側から塹壕目線で見上げると、全てのシーンが一度に鑑賞出来て大迫力です。

「ADGZ - Daimler」  縮尺1/35・縦21㎝・横30㎝・高さ23㎝  2020.12.29

非常に立体的で禍々しいデザインのADGZ装甲車、昔から大好きな車両です。立体的な車両なのでベースも立体的にしようと、階段や建物を想像のままに色々と詰め込みました。

このHPでも再三述べていますが、私は立体的な建造物、中でも階段が特に好きで、しばしば階段を情景に入れたがります。(自分が上るのは嫌いですが…)

常から気になる風景を頭に留めおき、時が来たら自分なりにアレンジして具現化する。それは現実の風景であったり映画や小説、漫画やゲーム内の1シーンであったりします。

そんな空想上の階段を上った先には車両と建物が臨めるように配置し、立体感を生かした鑑賞が可能なよう努めて作りました。

全ての建物を自作するのは苦労しましたが、オリジナリティある立体造形に仕上がったと思います。

「VICKERS MKⅡ」  縮尺1/35・縦24㎝・横33㎝・高さ25㎝  2020.12.28

あるとき棚田の写真を見ていて、ふと、石垣が段々状に連なった景色がとても魅力的に感じました。そんな情景が作りたくなり制作した作品です。

田畑では車両を設置しにくいので、段々状になった道路とし、脇には用水路を設置。写真では分かり難いのですが、道路に合わせて水の流れにも高低差をつけてあります。

ベースが小さいと、せっかくの石垣と用水路が車両等で見え難くなってしまいますので、車両やフィギュアに対してベースサイズを少し大きめにとりました。石垣が主体ですね。

石垣の各部が隠れないよう、まばらにとった配置のおかげもあり、長閑で牧歌的な雰囲気を醸成しています。

ひたすら石垣を自作する作業に追われましたが、出来栄えには満足。作者の立体欲を体現した力作で、今期の中でもお気に入りの1作となりました。

「WINTER WAR 1939」  縮尺1/35・縦26㎝・横37㎝・高さ31㎝  2020.12.28

小川沿いの林道を車両が進む様を、SMKを用いて表現しました。

多砲塔戦車ってゴテゴテしていていいですよね。とはいえ、大型車両にありがちな余白も多いので、そんな部分にはフィギュアを乗せて立体感を補っています。

今回どうしても入れたかったのが、木々の間を流れる小川と、その周辺に群れる小鳥、そして石垣。何度も悩みながら組み立てたそれらの構成。木々の間からぞき込むように見上げれば、水面の向こうに様々な風景を見ることができます。

地面の高低差はあまりありませんが、車両や樹木のおかげで立体感も十分。

雪景色で好んで使用する寒色系のベース色は、寒々しい冬の雰囲気を際立たせることに成功しています。大き目のベースに細部まで様々な要素を入れ込んだため、隅々まで見所が詰まった大作に仕上がりました。

「GERMAN KRUPP PROTZE」  縮尺1/35・縦21㎝・横30㎝・高さ19㎝  2020.12.28

小川が本流に流れ込み、上には小さな木橋が掛かる。そんな長閑な風景を再現したくなり制作しました。支流はやや澄んだ水。本流は濁った水を再現しています。

当初から支流と小橋は作品中央に配置することを決めていました。しかし、大型の戦車や車両を設置すると、作りたかった部分が車両で隠れて見え難くなってしまいます。

そこで、設置する車両は軽車両とし、牽引砲の連結部分を橋の上にくるように設置。そうすることで、作品中央の視界を不自然にならないように確保しました。

車両側には建物も配置し、適度な密度と立体感を持たせました。綺麗にまとまっており、見所も多い良作です。

そういえばトラック系の車両をメインで情景を作るのは初めてかもしれません。

「RUSSIAN T-34/76」  縮尺1/35・縦23㎝・横29㎝・高さ19㎝  2020.12.27

私が水辺の情景を作る時は鮮やかな色彩で造形する場合が多いですが、いつも同じでもつまらないので、偶にはくたびれた薄暗い水辺を作ってみようと思い制作しました。

ごつごつとしたお手製の岩肌に、葉の散った樹木には蔦が絡んでいてとても変化に富んでいます。水辺の造形にも気を配りました。

水底には木片や小石など様々なものが沈んでいて、何だか澱んでいますね。陰鬱とした雰囲気は、どこか不思議な緊張感を醸し出しています。

イメージ通りの風合いに仕上がりましたので、個人的には満足です。たまには暗い感じも良いのではないでしょうか。

要素も多く表情も豊かで、どの角度から見ても楽しめる高級感ある1作に仕上がりました。

「KRUPP RAUMER S」  縮尺1/35・縦30㎝・横42㎝・高さ26㎝  2020.12.27

特殊車両や試作車両などの変わった車両が好きで作ったものの、車両が非常に大型なため、必然的にベースサイズ自体が大型化しました。

あまり大きいと鑑賞時にスケール感が狂ってしまい、作品全体に違和感が生じてしまいます。そこで各要素を効果的に配置することにより、違和感を中和すべく努めました。

小型車両を傍らに配置したり、フィギュアを車両の足元と車上に配置したり。あるいは地上と車上を昇降台で結ぶなどの要素がそれにあたります。

そうした調整のおかげで、大きい車両なんだという事が分かり易い作品となりました。

ベース自体はとてもシンプルですが、大きさ故の迫力もあり、どこかSF的な見た目と相まって存在感は抜群です。

「SEMOVENTE M40-75/18」  縮尺1/35・縦20㎝・横28㎝・高さ22㎝  2020.12.27

少し小さめのベースの中に自作の建物やヤシの木、水辺には桟橋など、様々な要素を詰め込みました。情景の魅力が詰まった小作品です。

水辺にうっすらと舗装された石畳が露出しているのも拘りのポイントで、鮮やかな水色もイメージ通りです。砂漠や建物にはコゲ茶色のベースが映えますね。

車両が小型だと小さなベースでも様々な景色を演出する余地が多く、結果的に纏まりのよい良作が生まれやすく感じます。

車高が低い分は建物や樹木で高低差のバランスを調整しました。色彩のバランスも良く、密度もしっかりとしているので、全体的に綺麗で高級感のある作品に仕上がったのではないでしょうか。

「BATTLE OVER THE REICH②」  縮尺1/35・縦26㎝・横36㎝・高さ35㎝  2020.10.28

拙作「BATTLE OVER THE REICH」をご注文いただいた客様から「隣に繋げて並べられる連続作品が欲しい」とのご依頼を頂戴し、制作した作品です。

連続性がある事、レーダーを設置する事、管制室を設けること、前作よりも全高を高くすること、などの様々な条件提示があり、それらに則って制作を進めました。

並べて連続展示することが前提の依頼ではありましたが、自身としては単品での作品性も保持したいと考え、それらの両立を自己目標に設定。

レーダーの大きさや各種の条件を考慮すると、正面の立ち上がり部分が大きくならざるを得ず、構図取りには苦労しました。

とはいえ連結時の迫力は相当なもので、与えられた条件は上手くクリアできたのではないかと思っています。お客様にもご満足いただけたようなので、成功と言えるのではないでしょうか。





写真は前作との連続した展示の風景です。

表面のトーチカや草地の綺麗なつながり、裏面の連続性等もよく分かっていただけるかと思います。高低差と立体感に富んだ迫力のある連結作品に仕上がりました。



前作の掲載ページはこちら ⇒ 作品ページ⑤「BATTLE OVER THE REICH」

「GERMAN COMMAND POST」  縮尺1/35・縦26㎝・横36㎝・高さ25㎝  2020.04.21

2019年制作の拙作「BATTLE OVER THE REICH」をご覧になったお客様から「似たような作品が欲しい」とのご依頼を頂戴し、制作した作品です。

基本的には前作を踏襲し、細部を相談しつつ、先方のお好みで変更。戦闘中よりも休憩中の風景をご希望とのことだったので、前作で弾薬庫だった場所を休憩室に変更したり、他にも色々と手を加えています。違いを比較鑑賞すると楽しいですよ。

制作に際しては、幸いなことに前作の制作過程が記録に残してあったので、大体の形状は再現できました。記録が無かったらここまで近いものの再制作は難しかったでしょう。中には記録を取らずに勢いだけで作る作品もありますので、そういった作品の再現依頼だと大変なところでした。よく見ると微妙に平面の角度が違ったりするのはご愛嬌です。

前作も今作もそれぞれ見所のある大作で、楽しみながら制作させていただけました。


前作はこちら⇒作品ページ⑤「BATTLE OVER THE REICH」