作品ページ⑤・1/35 ミリタリー 2018~2020

「NORMANDY 1944」  縮尺1/35・縦23㎝・横28㎝・高さ20㎝  2019.12.31

川沿いを車で移動中、久しぶりに沈み橋を見てとても懐かしくなりました。子供のころはワクワクしながら渡っていたものです。

堤防上に掛かっている普通の橋は高いところにありますが、沈み橋は用途上低いところに設置されており、情景の1要素として非常に魅力的に感じました。早速情景に取り入れようと制作を開始したわけです。

スペース配分の都合で川も狭く、随分小さな橋になってしまったことは残念ではあります。とはいえ、こういった小さな渡しや隘路を見ると、何だかワクワクしてきますね。

作品として見た場合も、水、橋、建物、緑といった情景要素が沢山入っており、配色や高低バランスも秀逸。出来は今期作の中でも大変良く、お気に入りの1作です。

ところで、橋や川を題材にした写真集で偶に沈み橋が掲載されている所をみると、沈み橋には一定層のファンが存在するのでしょうか? まあ、私もその1人なわけですが…。

「WINTER BATTLE 1944」  縮尺1/35・縦19㎝・横23㎝・高さ34㎝  2019.12.31

擱座し、斜面を滑落して佇む車両。その横で反撃を試みるドイツ軍兵士、といったところでしょうか。

地面をそのまま切り取ったかのような、湾曲したベース側面の切り口。森の中を感じさせるべく、車両を囲むようにして配された自作の樹木。何れも拘ったポイントです。

車両が激突している樹木は衝撃で折れていそうなものですが、出来るだけ車両を覆い隠したかったのでそのままにしました。一般的には出来るだけ見せるはずの部分をあえて隠すことで、その場の雰囲気を醸成できるように努めています。

中でもフィギュアの上に掛かっている樹木は最後まで悩み続け、付けては外してを繰り返し検討した結果、現状に落ち着きました。結果的には正解だったと考えています。

樹木とベース形状のおかげで高さがあり、密度感もありますので、覗き込んだ時の没入感はかなりのもの。個人的には、今期でも上位のお気に入り作品です。

「SWORD OF ROME」3作目  縮尺1/35・縦18㎝・横23㎝・高さ17㎝  2019.12.31

過去にも制作したカルロアルマート作品の再制作。立体感のあるベースや砂漠、岩肌といった要素も大体過去作と共通しています。

カルロアルマートは大きさの割にとても立体感があり、ジオラマ映えする車両なので好んで利用しています。

ベースに関しては、法面部分に石垣を追加し、岩肌の表現に気を配ったことが今作の拘り部分。今後、大規模に岩肌を利用した作品を構想しており、その練習という意味合いもありました。構想しているだけで、いつ作れるかは未定ですが…。

単純な構成ではありますが、立体感と適度な密度感もあり、高級感のある良作となりました。

2作目はこちら⇒作品ページ③「SWORD OF ROME」

1作目はこちら⇒作品ページ①「SWORD OF ROME」

「EASTERN FRONT 1944」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ31㎝  2019.12.30

雪の中、擱座した車両から脱出する乗員の様子を表現しています。

本来主役であるはずの車両に対し、あえて家屋や樹木が覆い隠すように挟んで配置しました。正面から見た時に車両後方が隠れているのは意図しての事です。

手前にもう1本樹木を設置しようかと悩んでいたのですが、さすがに車両が隠れすぎるので止めました。結果的には丁度よい密度感になったのではないでしょうか。

家屋の屋根も、スレート葺きか板葺きかで最後の方まで悩みましたが、スレート屋根は昨年制作したので板葺きを選択。白には赤が映えますので壁板は赤にしています。

熟考しつつ制作を進めたおかげか、全体的なバランスが良く、作品性としては良好に仕上がったと思います。

「POLAND 1939」  縮尺1/35・縦19㎝・横26㎝・高さ26㎝  2019.12.30

風景や建造物、変わった物が好きで、移動中に気になる景色があると車を止めて写真を撮る癖があります。全く関係が無いような物事でも、どこに想像力を掻き立てる原動力が潜んでいるかわかりません。

今作はそんな撮りだめた写真や、市販の写真集を眺めながら妄想しつつ制作した作品で、完全に作者の空想上の産物です。

丘陵地にある段々状の石造り村落をイメージしており、作者の頭の中では上下方向に延々とこんな風景が続いている事になっています。車両が佇むのは、そんな集落のメイン道路といったところでしょうか。

想像するだけなら簡単なのですが、それを具現化するとなると大変で、今作でも建物を階段状に構成していくのに時間が掛かりました。

苦労はしましたが、見上げる様に鑑賞すると大変良い景色で、概ね満足しています。

「Panzer Kampfwagen Ⅱ Ausf・G」  縮尺1/35・縦18㎝・横26㎝・高さ15㎝  2019.12.30

木造の橋を挟んで対象と対峙する様を表現しています。

私は情景に主眼を置いて制作しているため、車両が大きいと必然的にベースは巨大化します。大きな作品は置き場所などの物理的な問題が発生するため、2号戦車くらい小さいと制約も少なくて使い勝手が良いですね。

自作の橋や石畳を敷き、橋を渡り切った先の路肩にフィギュアを配置。水面は底の見えない濁った風合いに仕上げています。

実は作品正面をどこに持ってくるかで最後まで悩みました。最終的に現在の方向を前にしたのですが、いずれの方向からでも中々良いので、最後は好みの部分かもしれません。

総評としては、高低差のバランスにもう一工夫欲しかったところですが、橋と同じくらいの目線で眺めると迫力があります。動きのある緊張感が演出できたのではないでしょうか。

「DRAISINE ARTILLERIE WAGEN」  縮尺1/35・縦24㎝・横29㎝・高さ19㎝  2019.12.29

子供のころから川沿いの堤防や鉄道堤が好きで、作ってみたい風景の1つでした。

そんな風景を情景作品に落とし込むときに問題となるのは、線路や鉄道車両がやたらと長いものだという事です。あまりに細長い作品だと見た目のバランスも良くありませんし、大きくなると置き場所にも困ります。そういった理由で、単車でも違和感の無い車両を選定し、今作を制作するに至りました。

法面は植生部分と、レンガで人工的に補完してある部分とを両方取り入れました。こうすることで変化を持たせ、単調にならないように努めています。

本当はアーチ橋を入れる構想もあったのですが、サイズも大きくなってしまいますし、諸所の都合上、今回は断念しました。

鉄道関係の方からは細部の改善点など何点かご指摘を頂戴しましたが、周囲の評判は大変高く、作者としてもお気に入りの1作です。

「1944 ・ FRANCE」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ25㎝  2019.12.29

ヨーロッパの旧市街、街道をイメージして制作した作品です。

いつもの作品と同じく、自作の建造物制作には大きな時間を費やしました。建物の塗装は、配色が気に入らなくて一度全部塗りなおしています。

映画や漫画、絵画や立体作品、何にでも言えることですが、作品の外側にある広がりや、先にある何かを感じさせてくれない創作物は面白くありません。

その部分を特に意識して制作を進めた今作。道路脇に古ぼけた建物があり、小さな階段を下った先には、どこかへ続く小道があります。砲塔やフィギュアも道の先を指向しており、その先には何があるのだろう? と観る者に想像させてくれることでしょう。

少し余白が大きすぎた気もしますが、綺麗な多段構成で見応えもありますので、まずまずの出来です。

「US M4A3 SHERMAN」  縮尺1/35・縦24㎝・横29㎝・高30さ㎝  2019.12.28

制作のきっかけは、映画やドラマなどのシーンを思い浮かべながら妄想していた時でした。ふと雪中の米軍って意外と良さそう、と思ったことが始まりです。

過去には沢山のキットを組み立ててきましたが、なんとシャーマンを組み立てるのはこれが初めて。作っている最中に気が付いて自分でも驚いたほどです。

車高が高いので情景にしたときのバランス調整が面倒そうだなと、思い込みで勝手に避けていたように思います。しかし実際制作してみると中々の立体映え。ただの食わず嫌いだったようですね。

作品としては、雪中の林道にて行動する様を再現。側面には水路もあり、多様な表情を見せてくれます。色味が白1色で淡泊にならないよう車両はあえて冬季塗装を避け、寒々しさを演出するためにベースは寒色としました。

ブルーグレーの台座に白色が映え、美しい仕上がりの良作です。大いに妄想欲が満たされました。

「BARBAROSSA 1941」  縮尺1/35・縦18㎝・横26㎝・高さ13㎝  2019.12.28

過去に制作した作品のリメイクで、2作目の紹介ページで予告した通り、3作目制作の運びとなりました。

基本構成は同じなのですが、作るたびに今度こそはシリーズ最高の出来栄えになるように、と思いながら制作しています。しかし実際制作を進めていくとそうも上手くいかず、1作目~3作目いずれにも長短が生じてしまいます。

こうなってくると気のすむまで繰り返し作りたくなってくるのが私の悪い癖なのですが、とはいえ手作りなので基本は1点物。全く同じものは2度と出来ません。3作を比較してみると微妙な違いがあって面白いですよ。

さて、皆様のお気に入りはどれでしょうか?

2作目はこちら⇒作品ページ④「BARBAROSSA 1941」2作目

1作目はこちら⇒作品ページ③「BARBAROSSA 1941」1作目

「FORTRESS HILLS」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ28㎝  2019.12.27

史跡や建造物の資料を読みふけっているときに、お城や砦跡、或いは教会のような建造物が丘陵上に佇む様を立体化してみたくなり制作しました。丘の上の対空陣地です。

初めに次の3点を自身の前提条件としました。「横幅と奥行はそれほど大きくせず、高さだけで多段層を表現する」「下層に階段状の出入り口を設ける」「中層に中庭を設け、対空兵器を設置する」の3点です。このように私の場合は、車両や重機などの設置物は後回しで、作りたい情景や目的から設置物を選択していく場合が多いです。

制作にあたっては全ての建物を自作しましたので、同サイズの他作品と比べると制作時間はかなりかかりました。8割方は建物の組立作業でしたが、作業中、何度指先が攣ったことか…。

中庭の機関砲だけだと下層が寂しいので、入り口前に守衛を設置するとともに、壁上にネコ!を設置。ネコはこんなに騒々しくて人の多い場所には近づかないでしょうが、緊張感の中にも柔らかい雰囲気を盛り込むことができました。

高さがあるため、サイズ以上に巨大に見える大作。高さのある作品は、見下ろしたり見上げたりといった「世界に入り込む」楽しみ方が出来ます。中庭を覗き込んだ時などはまるで映画の1シーンのようで迫力満点ですよ。

本当は中庭をもっと広くとりたかったのですが、サイズ制限を自分で課したため、今回は断念。妄想の中では巨大な史跡なのです。しかし苦労のかいあって、今期の作品の中でもお気に入りの1作となりました。

「Sd.Kfz.162 L/48」  縮尺1/35・縦20㎝・横24㎝・高さ32㎝  2019.12.27

自身の過去作をリメイクした作品で、サイズや構成は過去作を踏襲。気に入っている構成で再制作することは、自分の現状確認にも丁度良く、少しずつ改良を加えつつ何度か作り直すことにしています。

車両がL70からL48に変わっていることや、配置が左右逆になっていること、雪が積もっていないこと等が過去作品との大きな違いでしょうか。

毎回悩むベースの傾斜角は過去作と微妙に変えており、自分の中での最適な構成を模索しています。

全体の風合いとしては完成されたスタイルでもあり、間違いのない出来栄えかと思います。過去作品との比較も面白いかと思いますので、是非ご覧になってください。

1作目はこちら⇒作品ページ①「MUDDY DUCK」

2作目はこちら⇒作品ページ⑤「L/70 LANG」

「NORTH AFRICA 1942」  縮尺1/35・縦15㎝・横20㎝・高さ20㎝  2019.12.27

タミヤのSASジープを使用し、砂漠のオアシスを走破する様を再現した小作品です。

緩く傾斜したベース上に、高さを補うため自作のヤシの木を設置。たった2本ですが、葉を刻むのは中々に大変な作業で苦労しました。

適度に岩や草を散りばめ、水面に鮮やかな水色を配する等、小さい中にも沢山の要素を詰め込みました。

水や植物、立体的なベースなどはお気に入りの構成で、作者が情景作品として抑えておきたいポイントは押さえてあります。

その甲斐もあって、小さいながらも良くまとまっており、飾り映えのする良作となりました。

「BATTLE OVER THE REICH」  縮尺1/35・縦25㎝・横36㎝・高さ26㎝  2019.12.08

拙作「FLAK LINE 1944」をご覧になったお客様から、裏側まで作り込まれた先品を、とのご注文をいただき制作しました。正面からパッと見ただけではわからないけれど、よく見ると裏側にも何かがある。そんな秘密基地のようなワクワク感を立体化しています。

構想の当初から、サイズが大きく立体的な作品となることが予想されました。そのため、コンテスト用作品以外では初めて事前検証用のモックアップを制作しています。

左側にある点検口のような入り口や、右側の上り階段、手前に伸びる塹壕等、覗いた向こう側の「なにか」を感じさせるための立体演出に注力しています。

機関砲やフィギュア等、市販キット以外のほとんど全てを自作したため大変な労力でしたが、苦労の甲斐あって立体感に富んだ作品に仕上がったのではないでしょうか。

全くの偶然なのですが、今作で私のジオラマがちょうど100作目となりました。お客様からもご好評を得ましたので、正に記念すべき1作です。ご注文ありがとうございました。

「NORMANDY 1944」  縮尺1/35・縦28㎝・横41㎝・高さ14㎝  2019.09.15

お客様からのオーダーで、ノルマンディー上陸作戦の様子を再現しました。フィギュアのみとのご依頼だったため、車両や重機の存在しない作品となっています。

波打ち際でフィギュアしか置かれていないとなると、高低差や変化に乏しく、全体的に淡泊になってしまいます。それを防ぐために土手を盛り込む等、要素を増やしてバランス改善に努めました。当時の写真や映画等を観ると、波打際から土手までの距離はもう少しあったようですが、高低差は必須ですので構成上のデフォルメというやつですね。

それでもアドバイザーに言わせると「いつもより立体感に乏しくて寂しい」そうです。お客様からの要望やコストと自身の技術、それらを制作ポリシーとすり合わせた結果、このような作品となりました。個人的には満足のいく仕上がりですし、フィギュアだけの割に迫力もあり、サイズも41㎝の大作です。まずまずの良作かと。

今作でもそうですが、いつも的確な意見を出してくれるアドバイザーのM氏、T氏の両名に、この場を借りて御礼申し上げます。

「DEUTSCHE WARTUNGSFABRIK」  縮尺1/35・縦25㎝・横34㎝・高さ36㎝  2019.07.21

依頼主様からのお題は「パンターを使用した整備工場」です。整備工場に関しては、以前からの構想が色々とありました。地下ピットや玉掛クレーン、ベースをごっそり覆う屋根、1段高い所の通用路、などの要素がそうです。

大まかな構図や配色としては「BRUMMBAR」を踏襲し、整備工場にあわせて拡大調整したイメージで制作を進めました。

色々と詰め込みすぎたため、密度が詰まりすぎて現実的には整備性の悪そうな工場です。玉掛クレーンも華奢すぎて、とても用を成さないことでしょう。とはいえ、現実的すぎても見栄えを損なうこともありすので、作品性向上のためにはリアリティよりデフォルメが肝要かと考えています。

整備風景の情景作品というと、一般的には平坦なベースの作品が多い印象。今回はそのイメージをぶち壊すような立体的な作品を目指しています。そういう意味では成功したのではないでしょうか。非常に立体的で、満足のいく仕上がりとなりました。

「SCHLACHT DEI CHARKOW」  縮尺1/35・縦26㎝・横36㎝・高さ30㎝  2019.06.15

お客様からのご依頼で制作した作品で、「こんな作品が欲しい」といったイメージを提示いただき、それに沿った形で制作を進めました。

建物の内部を再現することに加え、床には絨毯を敷いてほしいとのご希望。タイミングよく「手づくり市(ハンドメイド作品の販売イベント)」に出店した折、ミニチュアの絨毯を見つけたので即購入。この絨毯、プリントじゃなくて本当に織りなんです。雰囲気も構想とマッチしていましたし、プリントとは迫力が違います。運よく入手出来て良かった。

屋内を広くとるためと、外から観察したときに中が見やすくなるように、建物がややオーバースケール気味です。依頼上の様々な制約がありましたので、大きさの割に平坦で、少しバランスの悪い部分もありますが、細部の出来はまずまずかと思います。

戦車ばっかり作るのも何ですし、家を作るのも楽しかったので、たまにはドールハウスとか作ってみようかなぁ。

「1944 PHILIPPINE」  縮尺1/35・縦25㎝・横30㎝・高さ24㎝  2019.05.18

お客様からのオーダーで制作した作品です。主な依頼内容は日本軍車両、フィギュア、水際、立体的な水表現、などでした。

この構成の場合、普段ならもう少しベースサイズを小さくするのですが、今回は波打ち際の表現がよく見える様に余白を多めに取り、少しベースを大きくしました。その分間延びして見えない様に、右奥の植生エリアは地面をかなり高くしてあります。

水面は深くなるほど青みが濃くなるように、複数回に分けて色調と透明度を調整。透明感のある綺麗なトルコブルーに仕上がりました。

また、ベースの側面を波の形にカットしてある部分や、波打ち際の泡沫も注力した部分であり、今作の見どころです

構成や配色のバランスも良く、動きもありますので、とても気に入っています。周囲の評判も大変良好な1作となりました。

「HETZER」  縮尺1/35・縦19㎝・横27㎝・高さ26㎝  2018.12.31

タミヤのヘッツァーを使用し、冬季の進軍を表現。昔、映画か何かでこんな感じのシーンを見たような記憶があり、いつか作ろうと温めていた作品です。出演車両が何だったのかは記憶にありません。

テーマとしては、「木の家」「針葉樹」「雪」の3点です。 通常、手前に樹木を配して、奥に家屋を設置するのが一般的な配置方法だとは思います。

しかしそれだと普通過ぎるので、家屋を手前に持ってきたかったわけです。とはいえ、真正面に建物があっては視認性が悪いので、右に寄せました。正面から見た時に、車両の後ろが少し建物で隠れるのがミソです。

乾雪風であまり水っぽさが無い雪。ベースのグレー色と相まって凄く寒そう。 記憶の再現という目標も達成できましたが、コンパクトな中に沢山の要素が詰まっており、作品性も良好だと思います。

「VALENTINE Ⅳ」  縮尺1/35・縦18㎝・横23㎝・高さ12㎝  2018.12.31

マケットのバレンタインを使用したジオラマです。損壊し半分地面に埋まってしまった車両の側で、白兵戦が展開されているといった様を表現しました。

構図がシンプルな場合は、何か目を引く要素を加味しないと味気ない凡作に仕上がってしまうと考えています。今回の場合は、車両を埋めることと、動きのある兵士の白兵模様がそれです。

シンプルながら、車両を埋める作業に手間取ったので、意外と苦労しました。全高は低いですが、地面の起伏とバレンタインの立体感のおかげで、あまり平坦にもみえませんし、綺麗にまとまっています。

写真ではわかり難いですが、白兵中のドイツ兵は、イギリス兵を支柱にして完全に宙に浮いています。 飛び蹴りです。 ちょっと拘った部分です。

「BERLIN 1945」  縮尺1/35・縦21㎝・横30㎝・高さ30㎝  2018.12.31

東方の壁砲塔シリーズ最後となる3作目は、ベルリン戦をモデルにした作品です。これも昔からやりたかったシーンの一つで、やっと作る事が出来て満足です。

前の2作では高低差のバランスをとるために、砲塔基部をあえて地面から露出させて高さを出していました。しかし、ベルリン戦の風景では完全に埋めてある写真が有名ですし、3作とも同じ構成でもつまらないので、今回は完全に埋めてみることとしました。

かわりに、砲弾で抉れた様に手前側の地面を掘り下げたり、瓦礫や建物を設置することで立体感を維持することに努めました。

砲身は、今作もあえて思いっきりベースからはみ出させています。出っ張りとか突起とか、立体的に見える要素が好きなんですね。

ちょっとゴチャっとしていて、全体的にわかり難い部分もありますが、それ故に終末感といいますか、末期的な雰囲気が演出できたかと…。 迫力があるので周囲からの評判も良好です。

「CROMWELL MkⅣ」  縮尺1/35・縦22㎝・横28㎝・高さ19㎝  2018.12.30

道路脇の生活路や用水路を表現したくて制作した作品です。水路の上に橋を渡し、その上を兵士が移動する様子も最初から決めていた要素です。タミヤのクロムウェルを使用。

法面部分を石垣にしたり、本道との接続路を緩やかなスロープにしたりと、造作にはとても時間をかけました。 更に、奥には1段高い部分に倒壊した建物の跡も入れたりと、非常に立体的です。

法面を少し高くしすぎたため、折角水場が見せ所なのに、離れてみると水路が見え難いのが反省点です。 沢山の要素が含まれた立体的な作品のため、実際のサイズ感より大きく見えます。迫力がありますよ。

どうでもいい話なのですが、クロムウェルってほとんどすべてのデザインが直線で構成されているのに、フェンダーが曲線なんですね。目立つ部分がチグハグなのが嫌で、フェンダーとサイドスカートを外しました。その方が格好良く見えるのは私だけでしょうか。

「MATILDA」  縮尺1/35・縦18㎝・横27㎝・高さ20㎝  2018.12.30

タミヤの旧キットを使用した、砂漠のオアシスを驀進するマチルダの図です。今作の肝はオアシスの水際と躍動感のある動きです。

アフリカのオアシスなんて見たことがありませんから、実際にどんな色をしているかなんて知りませんので、あくまで私の妄想の中での砂漠風ジオラマです。水色の水って絵面が良くて綺麗ですね。

実は水の造作に1度失敗して、やり直しています。ちょっと青くなりすぎてしまい、材料高いのに結構廃棄しました…。しかし、やり直したおかげで色合いも程よく、水際の透明感も上手く仕上がって良かったです。

今回のような水に入る最中のシーン等は、説明をしなくても何をしているかが分かり易い。動きが出しやすいので、見た目が美しく仕上がりますね。今後も積極的にこういった作品を作っていこうと思います。

「BRUMMBAR」  縮尺1/35・縦18㎝・横23㎝・高さ24㎝  2018.12.29

タミヤの旧ブルムベアを使用した過去作品のリメイクです。以前作った作品が非常に人気が高かったので、再制作しました。やはり作者としては好評を頂くと嬉しいです。

基本構成は旧作と全く同じでですが、色味を変えています。前作は全体的に薄暗く、ぼんやりしている部分がありました。それはそれでマットな感じがして良かったのですが、今作は色味を明るくして、メリハリをつけてみました。

また、前作で手前に立っていた鉄柱は、他との連続性が無く少し説明不足気味でした。 そこで今作では、奥の建物と接続し、配管を支えるという意味を持たせました。

前作から4年ほどしかたっていませんが、改めて見比べると随分違いが見受けられます。両作共に長短があり、中々面白いですよ。

前作は「作品ページ④」に掲載していますので、興味のある方は是非見比べてみて下さい。 さて、ご覧になった皆様はどちらがお好みでしょうか?

「ATLANTIC WALL」  縮尺1/35・縦18㎝・横28㎝・高さ20㎝  2018.12.29

前作、「GOTHIC LAIN 1944」に続く東方の壁砲塔(オストヴァルトゥルム)の2作目、大西洋防壁です。実際に大西洋防壁で使用されていたかどうかは知りませんが…。

知人にこの作品を見せたところ、「ジ〇リみたい。ラ〇ュタにこんなシーンあったよね?」と言われました。兵士が要塞の砲塔脇で立哨しているシーンですかね? どうでしょう。雰囲気が似ているのかな。

立哨する兵士の頭頂部を頂点として、手前を斜めに大きく傾斜させ、立体的な作品となるように心がけました。砲身はあえてはみ出すように端に寄せて設置しています。

モニュメントのような彫刻的な仕上がりになったのではないでしょうか。 昔からやりたかったことを全て入れ込んだ妄想の産物です。

「L/70 LANG」  縮尺1/35・縦21㎝・横26㎝・高さ28㎝  2018.12.28

タミヤの旧ラングを使用し、自身の過去作品をリメイクしました。サイズや構成はほとんど同じです。

前作は、自作の針葉樹を3本植える予定でしたが、作るのがあまりにも大変で、2本で断念した過去があります。しかし、今作は頑張って3本植え込むことができました。高さやサイズを変えた樹木が両側に配置されているので、とてもバランスが良く出来ています。

泥や雪の表現に注力したのは今作でも同じですが、今回は樹木の上にも積もる雪を表現してみました。 写真では非常に見え難いですが中々綺麗に出来たと思います。

初見のインパクトは前作。全体の纏まり、完成度は今作。といったところでしょうか。

前作は「作品ページ①」に掲載していますので、興味のある方は是非見比べてみて下さい。やっぱり斜面は、もう少し急な方がインパクトがあって良かったかな。皆さんはどう思われますか?

「GOTHIC LAIN 1944」  縮尺1/35・縦21㎝・横26㎝・高さ14㎝  2018.12.28

子供のころ、模型屋さんで見た要塞の組立キットが忘れられません。そのうち自作してみようかと考えているうちに、気が付いたら20年以上経ってしまいました。

最近、東方の壁砲塔(オストヴァルトゥルム)の写真を見る機会があり、そろそろ作るか!と思い立った次第です。タミヤのパンターを砲塔部品だけ取り寄せて制作開始。いつものごとく、型式や細部は適当です。

本来は完全に土中に埋まっているのでしょうが、それでは真っ平らな作品になってしまいますので、斜面沿いに設置し、手前側は大きく露出させています。

右側に石畳敷きの街道を造作し、その先を砲塔が睨んでいる風景に仕上げてみました。立体感に富んだ面白い作品になったと思います。

東方の壁砲塔は3つ作る予定で、今作は1作目です。ちょっとマニアックすぎる気もしますので、どのような評判を頂戴するかドキドキしています。

「EASTERN FRONT 1944」  縮尺1/35・縦23㎝・横28㎝・高さ24㎝  2018.11.27

今作で入れたかった要素は「道路を挟んで両側に建物を設置する」「水面」「階段」「背後から覗くように鑑賞できる」の4点です。

建物は、左右で違った様式にしたかったので、雰囲気を変えてみました。高さはほぼ同じなのですが、少しバランスが悪い。左を高くして右を低くすればもっと良くなったはず。

今作は、珍しく建物を全て筆塗りで塗装しました。やはりいつもと雰囲気が違って見えますが、わかるでしょうか? 時間が掛かりましたが、たまにはいいかもしれません。

背後から道路を覗き込むようにして鑑賞すると、ボックスアートのようで良い雰囲気。また、高さがあるため、真上から見下ろして鑑賞するのも迫力があって良好です。

当初のイメージ通り、色々な角度から鑑賞して楽しめる作品に仕上がりました。概ね満足しています。

「RUSSIAN T-34/76」  縮尺1/35・縦16㎝・横23㎝・高さ16㎝  2018.10.27

橋が崩落しているジオラマは過去にも何点か制作していますが、人気がありましたので同じ構成で再制作してみました。

ベースサイズが小さいのに陸地の面積を広くとりすぎたせいで、いかにも水面に落ちている、といった雰囲気が伝わり難くなってしまったかもしれません。

もう少しベースサイズを大きくするか、陸地を減らして水の面積を増やすべきだったかと少し反省しています。

とはいえ、橋脚の雰囲気がうまくできたのと、全体的にダイナミックな構図が上手く作用しましたので、まずまず満足しています。

やり残したことや課題なども沢山ありますので、橋シリーズは今後も積極的に作っていく予定です。

「T-34/76・1943」  縮尺1/35・縦19㎝・横23㎝・高さ16㎝  2018.10.13

過去に制作した雪原のT-34をリメイクした作品です。使用した車両とフィギュアは前作と少し違いますが、ベースサイズは全く同じです。

躍動感を演出するためにベースを傾斜させるなど、基本構成も前作を踏襲しています。

技量や心境の変化を見るために、たまにこうして同じような作品を再制作します。前作からはかなりの年月が経っていますので、やはり塗装方法や地面の作り方等にも変化があるかと思います

前作は「作品ページ③」に掲載していますので、興味のある方は是非見比べてみて下さい。

「EASTERN FRONT 1943」  縮尺1/35・縦22㎝・横27㎝・高さ16㎝  2018.09.14

地面に植え込む草の素材で、新しい材料が手に入ったので試しに作ってみた作品です。

構成は、好んでよく作る草原と河原の組み合わせです。個人的に好きなだけでなく、人気の構成内容でもあります。

ベースサイズは普段より少し大きめにしたつもりだったのですが、草木がうまい具合に茂っているので、デッドスペースを感じることもありません。

逆にいつも通りのサイズだったら狭すぎるくらいで、ベースサイズの重要さを改めて痛感しているところです。

草の感じもイメージ通りに出来たので、試作はまずまずの成功。今後はこの素材を多用していこうかと思います。

「M3 LEE」  縮尺1/35・縦22㎝・横27㎝・高さ18㎝  2018.08.30

「朽ち果てた戦車の情景」との依頼を受けて制作した作品です。

先方がお持ちの壊れたM3戦車を使ってほしいとの要望でしたが、元の塗装は遺棄された雰囲気とは程遠い物でしたので、まずは修復と再塗装から始めました。

車両が遺棄され、そこから草花や蔦が生えている様は、以前から作ってみたいテーマの一つでしたので、大いに楽しみながら制作が進みました

高さや密度感等上手く纏めあげることができたので、中々の良作に仕上がったと満足しています。

完成品を知人に見せたところ「子供か鳥のフィギュアが入っていてもよかったのでは」という意見をもらいましたが、私個人としては生物が居なくてもいいと思っています。 さて、皆様はどう思われますか?

「無題(廃墟と井戸・DAVE風)」  縮尺1/35・縦26㎝・横32㎝・高さ17㎝  2018.07.31

この作品は、オーストラリアのモデラー、デイビット氏の作品「Tunisian Tiger diorama」を模倣したものです。

ご本人には確認済みで、私の練習のために模倣したいというとと、このHPに掲載する旨を許諾いただいています。原作者公認の模倣品ですので皆様ご承知ください。

原作では建物が市販の既製品なのですが、日本では入手が大変そうだったので自作しました。井戸も自作しています。井戸の方はデイビット氏も自作したようですが、私は氏とは違う作り方を採用しました。

大まかな構成は踏襲していますが、色味や微妙な配置など、細部は変更を加えています。人様の作品に似せて作るというのは思った以上に難しく、色々と勉強になりました。

デイビットさん、この度はご協力ありがとうございました。




デイビット氏のページは下記URLからご覧いただけます。

http://www.davesmodelworkshop.com/2016/11/tunisian-tiger-diorama-photographs.html